
今回は『クレヨンしんちゃん』や『河童のクゥと夏休み』でお馴染み原恵一監督作品『カラフル』ピックアップ。
主人公が一度は亡くなってしまうが天使の抽選に当たり、生まれ変わって人生をやりなおすという軸で物語が展開していきます。
そんな『カラフル』が切なくて「生きる」というのをとても理解できるアニメなので、簡単に内容と魅力をご紹介します。
ちなみに他の鬱アニメとして「トラウマアニメ!『妄想代理人』が隠れた名作で面白いんよね…。」や「極上のサイコアニメ『MONSTER(モンスター)』が面白すぎて辛い魅力…!」ども記事で紹介しておりますので是非ご覧ください。
さぁ、天使に抽選であたろうか。
『カラフル(Colorful)』とは?
原作者である「森絵都」氏のベストセラー小説を待望のアニメ化にした作品です。
監督は感動作の第一人者とも言われる「原恵一」氏(『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』、『河童のクゥと夏休み』など)。
第14回文化庁「メディア芸術祭アニメーション部門」優秀賞、第34回「日本アカデミー賞優秀アニメーション」作品賞などを受賞。
キャッチコピー
- 「あなたは一度死にました」
- 「ただいま、サヨナラした世界。」
- 「もう一度、人生やり直してみませんか?」
『カラフル(Colorful)』ストーリー
年度 | 2010年 |
時間 | 127分 |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
監督 | 原恵一 |
原作 | 森絵都 |
出演者 | 冨澤風斗 |
宮崎あおい | |
南明奈 | |
まいける | |
入江甚儀 | |
中尾明慶 | |
麻生久美子 | |
高橋克実 |
人生に疲れてしまい自殺してしまった少年が、天使の抽選にあたる。
抽選内容は小林真(通称:ぼく)の体に入り込み”生きる”という意味をもう一度考える旅路が始まる。
『カラフル(Colorful)』主要登場人物
「小林真 (ぼく)」Cv. 冨澤風斗
本作の主人公。
前世では罪を犯してしまい亡くなってしまったが、天使の抽選に見事あたり自分の人生をやり直す機会が再度与えられる。
そして、やり直す為に入り込んだ魂が自殺する前の「小林真」であった。
彼は美術部に所属ており絵は好きなのだが勉強もスポーツも大の苦手でありコンプレックスの塊であった。
「佐野唱子」 Cv. 宮崎あおい
真のクラスメイトの少女。
ひそかに真に思いを寄せてはいたが、様子がおかしいことにいち早く気付く。
「桑原ひろか」 Cv. 南明菜
真が憧れているイケイケな少女で中学2年生。
あらぬ噂が立つほどの振る舞いをしており、何をしているかわからない。
「早乙女」 Cv. 入江甚儀
真のクラスメイトであり友人。
「プラプラ」 Cv. まいける
主人公が最初にであう、少年の姿をした人生再チャレンジガイドの「天使」である。
何故か関西弁でガイドをする。
※元お笑い芸人の「マイケル」ではなく、タレントの「まいける」が声優を務めている。
『カラフル(Colorful)』の観てほしい魅力とは?
現代にリンクする「いじめ」「援助交際」問題の提起
©2010森絵都/「カラフル」製作委員会
現代社会でもリンクする “いじめ” による自殺多望者が後を絶たない日本の学校問題、それは仕事という職場でも存在しており、耐えられなく鬱(うつ)病と発症している問題にこの作品は真っ向から直視しています。
そして憧れの先輩である「桑原ひろか」は欲しい物がありすぎて大人達と “援助交際” を重ねている現状は相当な攻め込みとも取れるアニメ。
こういった闇にもとれるリアルを映し出しているのが、今敏監督(パプリカ)を思わせるのが魅入ってしまうところなのかもしれません。
ひろかのセリフにある、「ひろかね、おかしいの。ひろかおかしいの。狂ってるの。きれいなものが好きなのに、すごく好きなのに、時々壊したくなる。ひろか変なの。頭おかしいの。狂ってるの!」を聞いた時は心が痛くなります。
私たちは主人公である「小林真」になり、その問題面にどう立ち向かっていくかを原恵一監督の独特のリアルな表現方法により心を揺さぶられます。
「Colorful」
原恵一監督。何かの罪を犯した魂が少年の身体に入り込み人生をやり直すお話。母親の浮気や女子中学生の援助交際など、現実味溢れる描写が出てきます(性行為のシーンはありません)。言葉では説明のできない深い映画です。 pic.twitter.com/bo2rLvcb0f
— 何か (@misakiery) January 13, 2020
一番多感な時期の「中学生」での友人の大切さと存在感
©2010森絵都/「カラフル」製作委員会 出典元:『カラフル』原恵一監督インタビュー 第4回 – styleから引用
体験したことがあるかもしれませんが自暴自棄になり、この世界には自分だけ世界に孤立させられたような感情に蝕まれ異様な虚無感に襲われたことがあるかもしれません。
そんなとき、何気ない友人からの連絡で少しは救われた気持ちになったこと。
このアニメは現代で経験したことがある人の心の描写を全てを語り、意味のない電話での会話、そしてメールなどは心に温まりをもたせてくれます。
タイトル「カラフル(colorful)」の意味
©2010森絵都/「カラフル」製作委員会 出典元:カラフル : 作品情報 – 映画.comから引用
タイトルに使用されている「カラフル」とは、「私たちの世界ではいろんな形の色に満ちている」という意味がこのアニメでは合致します。
私たち人間の色は場面場面により変わり、一貫性をなくして物事を見てはいけないという意味も含んでおり中々に深い。
個性という自分なりの色を、他の色を押し付けずに受け入れて染めてほしいというメッセージも伝わってきます。
「そんなあなたは何色でしょうか?」
そう突きつけられるようなアニメです。
【作品紹介】『カラフル』
森絵都さんの同名小説を原作としたアニメ映画ね。一度死んだはずの“僕”が、「抽選にあたりました」と天使に言われ、別人の中学生として生まれ変わるっていうお話。原恵一監督の丁寧な演出が光るヒューマンドラマよ。けして派手な作品じゃないけど、一度は見て欲しい作品ね— アニメたん@随時情報追加中 (@animetan_jp) January 12, 2020
最後に。
主人公である真が自分の人生を見つめ直すお話ですが、色々な社会問題、社会風刺などを痛烈に表現したアニメです。
色々な不安を抱えた人々が相まみえますが、決して暗い物語だけではなく真を通じての周りの成長が見てとれますのでご興味がある方は是非鑑賞していただきいたです。
一生に一度は観て欲しいと感じる作品。
ではでは!
カラフルを紹介する魁堵(かいと)でしたー!