
今回は現代の社会に苦言するアニメ『東のエデン』をピックアップします。
ノイタミナ枠での初のオリジナルアニメであり、攻殻機動隊での監督を務めていた神山健治氏が担当し、社会風刺たっぷりの内容に世間を賑やかしました。
そんな東のエデンの簡単な内容と、感極まる魅力を紹介します。
他の考えさせられるアニメとして「世知辛いアニメ映画『イヴの時間』が色々と切ないからオススメ…!」や、「心が痛い鬱アニメ『カラフル』は一生に一度は観て欲しい。」なども紹介しておりますので是非そちらもご覧下さい。
さぁ、東のエデンにハマろうか。
『東のエデン』とは?
東のエデン | |
ジャンル | サスペンス |
原作 | 神山健治 |
監督 | |
キャラデザ | 羽海野チカ |
制作 | Production I.G |
製作 | 東のエデン製作委員会 |
放送期間 | 2009年4月9日 – 6月18日 |
話数 | 全11話 |
東のエデン 劇場版I The King of Eden | |
公開 | 2009年11月28日 |
時間 | 82分 |
東のエデン 劇場版II Paradise Lost | |
公開 | 2010年3月13日 |
時間 | 92分 |
原作、監督は神山健治(攻殻機動隊 S.A.C、009 RE:CYBORG)氏が務め、ノイタミナ初めてのオリジナル作品。
キャラクター原案は羽海野チカ(ハチミツとクローバー、3月のライオン)氏が担当しています。
記憶喪失の青年と、謎の携帯電話を巡るサスペンスドラマで現代に物申す作品。
終わり方はなんとも言えない気分にさせられるのが正直な所だが、それが理にかなってるのが魅力です。
テレビ放送終了後、劇場版2部作が公開された超大作。
キャッチコピー
- 「この国の”空気”に戦いを挑んだひとりの男の子と、彼を見守った女の子のたった11日間の物語」。
『東のエデン』簡単ストーリー
『迂闊な月曜日』
2010年11月22日(月)
日本各地に10発のミサイルが落下したのが始まり。大統領がうっかり発言した『迂闊な月曜日』と呼ばれたこの事件は、奇跡的に1人の犠牲者も出なかったことで、人々は次第に危機意識を失っていった。
それから3ヶ月後、11発目のミサイルが旅客機を直撃してしまう。
主人公は「森美咲」と「滝沢朗」の2人。
2人はある日、ホワイトハウスの前で偶然出会うが滝沢にはそれまでの記憶は一切なく、しかも真っ裸。
持っていたのは拳銃とケータイだけだった。
ケータイに唯一登録されてた「Juiz(ジュイス)」という人物。
彼は「Juiz(ジュイス)」に教えてもらい、住んでたらしきアパートに行くと、そこにはたくさんの銃やら偽名のパスポートがあった。
その中から「森美咲」と年齢が同じの、「滝沢朗(偽名)」を選ぶ。
その後、ケータイを手掛かりに滝沢は自分の正体を探る。
2人はなりゆきで一緒に日本に帰省する。
その後、ケータイを手掛かりに滝沢と森美は正体を探るために行動する。
東のエデン面白すぎて1日で全話観てしまった
— こばす🎲 (@kobahaibisu) September 9, 2020
『東のエデン』に感極まるポイントとは?
社会に全くコミットしない人物達に”焦点”を当てている作品
© 東のエデン製作委員会 出典元: 東のエデン | Netflix から引用
ある種の若者を生み出しているサブカルでのファン層でのネット社会が日々深刻に姿を変えている現状。
そして彼らにとっての集う場所や、友達、恋人などの2009年当初の若者達の風潮(社会風刺)を全面に推し出しているのがこの作品から感じとれます。
アニメ『東のエデン』見たんですが、全体的にキーワードが平成っぽい古さがあって、リアルタイムで観ておかなかったのを悪い意味で後悔した。ニートとか、搾取とか、「ミサイル攻撃で破壊してしまえば国はよくなる」的な思想とか。
— ねの 8月新譜リリース・委託販売中 (@neno_n0) May 3, 2020
当時の日本(2009年)が抱えていた、深刻な問題に鋭いメスを描く
© 東のエデン製作委員会 出典元: 東のエデン | Netflix から引用
人々が雇用される時の“中”の制度から見られるおかしな現状。
それに対しての現代が打つ社会的合面を、物語の中で視聴者にうったえるかのように鋭くメスを入れてきます。
東のエデンを見たら、これが震災以前なのか、というのがよく分かった。社会に対するリセット願望が見事に映像化されている。
一方で震災以後は、社会がリセットされなかった絶望と閉塞感に包まれており、これが転生やチート、異世界といった、世界に対するリセット願望に繋がっていると感じる。— ところてん (@tokoroten) June 15, 2016
滝沢の上がりを決め込んだ”オッサン”というセリフ
© 東のエデン製作委員会 出典元: 東のエデン | Netflix から引用
現代(2009年)の社会体制は「上がりを決め込んだオッサン」(滝沢が言い放ったセリフ)を守るために機能している。
要を例えると「実力だけの主義」と「実績による評価」という2つによる給与体制が決められるとします。
日本は基準からの減点、そうなると最初に100点を付けられても難癖付けられて減点するシステムが最終的にはあります。
仮に昇給など全く無く減給、そして人件費削減のための方便にされるなどのサイクルが起きてしまい高給取りの椅子に座っている上司「上がりを決め込んだオッサン」を養うために若者が上手く使わされているシステムが起きるのが現状。
そういった意図に対しての疑問を心身にぶつけてくるのがこの作品です。
『東のエデン』のフィルムコミック読みながらずっと考えてる。既得権益を持つ「オッサンども」に逆らえず虐げられ続けるうちら世代に、一体何ができるのか。何をしたらいいのか。どうしたらうちらが幸せになれるのか。滝沢くんみたいに考えて考えて、それを行動に移す勇気を出したいってずっと思ってる
— みーみー@難病で絶望してるズ (@mi_mi_SLE) May 14, 2014
最後に。
当時の現代に物申しながらも上手く伝えてくれるのがこの作品です。
色々と考えさせられる作品ではありますが、観ていて損は絶対にありません。
現代の在り方を教えてくれるのがまた良い。
ご興味がある方は是非ご覧ください。
きっと滝沢の魅力と、現代に対しての捉え方が変わるかもしれません。
ではでは!
東のエデン大好きな魁堵(かいと)でしたー!