今回ご紹介するのは漫画原作アニメ『MONSTER (モンスター)』
この作品は「YAWARA!」や「20世紀少年」等の漫画で有名な、浦沢直樹先生の最高傑作と言われているミステリー。
ミスリードにミスリードを重ねて犯人に辿り着く、そして近づくまでの過程を壮大に描いています。
色々とここで語ってしまうと全て話してしまいそうなので、この作品の魅力をアニメベースで色々と紹介させてもらいます。
さぁ、ヨハンを探しにいこうか。
【MONSTER(モンスター)を鑑賞できるのはHuluだけ】
『MONSTER(モンスター)』とは?
『ビッグコミックオリジナル』にて1994年から2001年まで掲載された浦沢直樹先生の本格ミステリー漫画。
冤罪や猟奇殺人、医療倫理、病院内での権力闘争、家族の在り方(親子愛、兄弟愛)、人間愛、児童虐待、アダルトチルドレン、トラウマ、東西冷戦構造、ベルリンの壁崩壊の以前以後のドイツ社会などをテーマとしていて、全てが絡み合う本格ストーリー。
テーマ自体の重たさがこの漫画の魅力だが、アニメでは漫画の話をほぼ全て映像化しており気合の入り方が違う。
漫画は全18巻と完全版全9巻で、アニメは異例の74話(6クール)である。
『MONSTER』主要登場人物
『ケンゾー・テンマ(天馬 賢三)』CV. 木内秀信
主人公。
アイスラー記念病院(ドイツ)で働く日本人天才脳外科医。 周囲の誰もが認めている手術の腕を持つ所謂「天才」であり頭脳明晰。性格は穏やかで社交性も持ち、周囲の誰からも慕われる非の打ちどころがない人物である。
ある年に院長からの業務命令(後に運ばれた市長を助ける様にと)を無視し、先に運び込まれていた被害者(ヨハン)の手術を執刀し救うが出世の道は完全に途絶える。
だが、後に出世の道を閉じた院長やライバル等が次々と謎の死により出世の道が復活したが…。
『ヨハン・リーベルト』CV. 佐々木望
怪物。
主人公が偶然助けた少年…だったが後に追いける「人並外れた頭脳」と「カリスマ性」を持つ稀に垣間見える『怪物』。
幼い頃から圧倒的なカリスマ性を持っている為に人の心に入り込み取り込むことができ、一種のマインドコントロール様なものができる。
人の命を「何とも思っていない」冷酷無比な殺人鬼として描かれている。
『ニナ・フォルトナー / アンナ・リーベルト』CV. 能登麻美子
ヨハンの双子の妹。
平穏な家庭で過ごし学生生活を送っているものの幼少時の記憶は全くなく、フォルトナー夫妻の方針で実子として育てられていた。 成績は優秀で性格は「人を尊重し自分に自信が無い」という兄と正反対である。
殺人に対して強い嫌悪感を持っている為に義理の両親フォルトナー夫妻が殺害された際(この時に主人公テンマに出会う)に殺人を繰り返す兄ヨハンの存在を知り食い止める為にテンマと共に獅子奮闘する。
『ハインリッヒ・ルンゲ(警部)』CV. 磯部勉
ドイツ連邦捜査局警部。
敏腕刑事であり、解決できなかった事件はゼロ。驚異的な記憶力を持っており、パソコンのキーボードを打つ仕草をすることにより頭の中のコンピュータから記憶を取り出せるという優れモノ。
主人公を病院での院長達殺害の犯人だと思っており執拗に追い詰める。
『MONSTER』┃ストーリー
『MONSTER』時系列①┃1986年
出世
天才的な技術を持つ日本が生んだ人脳外科医「Dr.テンマ」は院長の娘と婚約し、後に外科部長で院長という出世コースがほぼ確約されていた。
重症の少年の搬送
そんなある日にテンマが務める病院に、頭部を銃で撃たれた重傷の少年「ヨハン」が搬送されてくるが、すぐ後に市長も重症で搬送される。
院長は「人の命は平等じゃない」など言い放ち市長を救うように業務命令を下すが、医学的倫理の観点から無視して少年を救う。
転落
この業務命令を無視した事により院内の政治力学によってンマの順風な状況は一変し、婚約も破断、出世コースから転落することになった。
事件
出世コースも仕事もほぼ失い、辞めようかと思った矢先。院長や外科部長らが謎の殺害事件が発生。同時に入院中であった少年「ヨハン」と『双子の妹』らしき人物が失踪する。
復帰
この事件がキッカケで、院長やらの上が全て変わり、新院長から「実力が全て」ということから「Dr.テンマ」が外科部長として新たに復帰した。
『MONSTER』時系列②:1995年
転機
外科部長となったテンマは職務に励み順調に出世コースを歩んでいた。
しかし、突然に彼の前に、美しい青年に成長した少年「ヨハン」が現れる。
告白
ヨハンはテンマの患者(ユンケルス)を目の前で何の躊躇もなく射殺し、さらに過去の殺人(院長達殺害)を告白し全て助けてくれたテンマの為と言うヨハン。
だが、テンマは殺人鬼を蘇らせてしまったという自らの責任を感じてしまう。
追跡
彼を野放しにしといてはこれからも殺人が起こると思ったテンマはヨハンを射殺するために、妹アンナに再会することを企てるが…ルンゲ警部によって殺人犯の濡れ衣を着せられてしまいドイツ国内を逃亡しながらヨハンを追跡するみたいなお話。
『MONSTER』に虜にさせられる面白い魅力とは?
漫画にはない “アニメ” による圧倒的映像
このアニメは漫画が原作なのですが、アニメ化した際にオリジナルストーリーや、時系列が変更されたりすることが多々あるかと思います。
ですが、この作品には全くないのです。
浦沢先生独特の絵の構成とカット、更にはセリフまで全て忠実に再現されており、この作品は一つの壮大なストーリー展開が「まるで一級のミステリードラマを鑑賞している感覚」になります。
こういった画面映えするようなカット割りが、観るものを虜にします。
何年かぶりに浦沢直樹のMONSTER(アニメ)を見返しているんだけどやっぱり深いな……こんな面白い1話ある?
— リトルタイムにおストップ (@nanao92) 2019年5月12日
観れば観る程気になるストーリー展開に夢中
この作品はとても複雑な話であり、伏線が伏線となることが多いにあります。
そしてアニメを一通り観た瞬間に「このアニメやばい」と思い漠然とした気持ちになるのは間違いないでしょう。
色々とその場でググってしまう方が多いと思いますがあの話の伏線が「あっここのことか!」などと回収されたり、意味不明だった人物の行動を理解できるようになり、
もう一度確認したくなる所が浦沢先生の凄いところ。
ヨハンの過去、ニナの過去、ルンゲが信じない理由、名前のない怪物、バラの屋敷、515キングダムなど謎を謎を呼び、視聴者をあざ笑うかの様に魅了してくるのが面白い。
浦沢直樹のMONSTER面白いやんけ。アニメ版見てるけど、謎が謎を呼ぶ展開に毎話あっという間だわ。ヨハン・リーベルト「助けて!僕の中のMONSTERが破裂しそう」
— 𓆏《5/6文学フリマ東京出店》 (@burn0921) 2019年5月24日
様々な人物焦点から目が全く離せない
下記のジェヘラザードブログ様で書かれていますが、本当に人物描写の描き訳が秀逸です。
人物の書き分けというものがあります。見た目上の話です。MONSTERの登場人物はほとんどがヨーロッパ系の外国人ですが、誰が誰だかわからなくなることはまずありません。
主人公以外の視点も多く存在し、テンマ以外の視点(アンナ、ルンゲなど)、更には最初に全く知らない人が出てきたのが後半ではかなりの重要人物だったりと。
伏線の張り方が恐ろしく綿密です。
怖い。怖い。怖い。一体どうなってしまうんだろうか。
是非、その目で確かめて見てください。
最後に。
アニメでは74話という長期の作品ではありますが、この世界観にハマったら毎日観てしまい衝撃のラストに度肝を抜かれますよ!
(私はまさにそうでした…!)
この機会に浦沢先生の「アニメ」、その他の「漫画」も面白いので興味をもってはいかがでしょうか。
素晴らしい大人のアニメの世界を堪能してください!
ではでは!
浦沢先生好きの魁堵(かいと)でしたー!