今回は「夏目友人帳」で有名な緑川ゆき先生の短編、
『蛍火の杜へ(ほたるびのもりへ)』を紹介したいと思います。
アニメの長さが「44分」という短さなのに凝縮されたストーリー展開に、一部のファンでは猛烈に尊く感じ評価が高い作品でもあります。
その短さで尊く、そして涙腺を崩壊させるこのアニメを紐解きたいと思います。
ちなみに他の感動して考えさせられるアニメ映画として「逆さま世界が面白い!アニメ『サカサマのパテマ』が色々と好きなんよ…!」や「世知辛いアニメ映画『イヴの時間』が色々と切ないからオススメ…!」なども記事で紹介しておりますので是非ご覧ください。
さぁ、どうしようもない気持ちに満たされようか。
『蛍火の杜へ』とは?
緑川ゆき先生による2003年に発表された短編作品が『蛍火の杜へ』。
8年の時を経てから2011年9月17日に劇場アニメ化され、『夏目友人帳』と同様のスタッフが担当していることでクオリティが非常に高いことでも知られています。
- キャッチコピー:『夏目友人帳』のスタッフが贈る、もうひとつの妖奇譚」
『蛍火の杜へ』登場人物
「竹川 蛍(たけがわ ほたる)」CV. 佐倉綾音
主人公。
夏休みになると祖父の家に毎年遊びに来ていたが、6歳のときに妖怪が住むと言われていた「山神の森」で迷子になってしまい泣き出しそうになっているところを「ギン」に出会い救われる。
その後から、毎年(毎日)のように「ギン」に会いに森へ遊びに行くようになり、いつしかそんな彼に恋心を抱くようになってしまう。
「ギン」CV. 内山昂輝
銀髪で狐の仮面をつけた少年。
高校生の様な見た目をしているのだが通常の人間よりもずっと成長が遅く、主人公の「蛍」が高校生になっても彼の姿形はほぼ変わらない。
人間でも妖怪でもない中間の存在であり、人に触れると消えてしまう。元々は人間だったのだが “赤ん坊” の頃に森に捨てられてしまい、「山神」が妖術で生かしているという経緯がある。森に住んでいる妖怪からも慕われている存在。
彼もまた、毎日の様に森へ勤しんでくる「蛍」と仲を深めていく。
『蛍火の杜へ』ストーリー
里帰りで祖父の家へ遊びに来ていた6歳の少女「竹川蛍」は森で遊んでいると、妖怪が住むと言われている『山神の森』に迷い込んでしまう。
疑心暗鬼のまま泣き出しそうになるが、人の姿をした「ギン」に出会い助けられるが、彼は人に触れられると消えてしまうということ。
森を無事に出ることができた蛍は、そのことがキッカケで毎年の夏に「ギン」の元を訪れるようになるってお話。
無性に尊いアニメ『蛍火の柱へ』のたった一つの魅力
『女の子』が森で偶然に出会った『男の子』との尊くて切ないお話
出典元:蛍火の杜へ| アニメ映画公式サイトから引用
テーマが 「夏休み」となっているので、その感覚を肌で感じ取れる作品だと感じます。
迷い込んだ森で、人に触れられると消えてしまうという「ギン」と「蛍」の出会ってから、切ないような尊いようなやりとりが本当に良い。
予告編からも感じとれるかと思いますが特段に大事件や、何かに襲われたりとかはまったく起きずに「蛍」と「ギン」の交流をただ観るというアニメ。
蛍も幼少期、中学生、高校生と成長していくのですが、年齢を重ねる度に変わる心境の変化もまた秀逸で「ねえ、ギン。何があっても絶対私に触らないでね。絶対よ。」という蛍のセリフで、触れたいけど触れられない気持ちのもどかしさが伝わり涙腺が少し緩みます。
ですが、この交流で生み出す絶妙な距離感、さらに夏の恋心を思わせるような空気感、そして何故か心を浄化されるような癒し感が満たされます。
ただ会いたい、ただ楽しい、そして触れ合いたい思う恋心、そして決して叶う事がないと分かっていても一緒にいたい気持ち。
ラストにかけて「蛍」が高校生になった時に、「妖怪たちの夏祭り」というイベントに行き楽しく遊んでいたのですが、偶然通りかかった少年が転びそうになってしまうのを「ギン」がとっさに腕をつかんで助けます。
その子は迷い込んだ “人間の男の子” であり体が消えていくギン…。ここで涙腺が崩壊。
「来い、蛍。やっとお前に触れられる。」
ギンの胸に蛍が飛び込み、そして抱き合った瞬間に「ギン」は消えてしまう…。
そして間際に蛍に「好きだよ。」とつぶやく。
凄く劇的な物語というわけでもないし、結果は凄く見えていたけどもこの感覚は新しかったです。
最後に。
夏の終わりからこそ感じるノスタルジックとは違う、淡い感じでほっこりしたい方は是非視聴をおススメします。
こういった感覚のアニメはあまり無いかと思いますので斬新かと思います。
こういうので癒されるのもありですよね。良い。
ではでは!
涙腺崩壊アニメを紹介する魁堵(かいと)でしたー!